現代っ子達のぼやき 1月









譲 「1月の始業式って、まだお台場から帰ってきて2、3日しか経ってないんですよね」



望 「そうそう、冬休みの宿題終わってなくて、あの朝も私、ほとんど寝てなかったんだよ」



将 「お前の家庭科の宿題、みんなで手伝ってやっただろう」



望 「アハハ、その節はお世話になりました」



将 「お前がミシン壊しちまうから、悲惨になったんじゃねぇか!」



譲 「兄さんはいいよ、『老け顔』が戻らないからって勝手な理由で、留学中の設定にして休んでたんだからな」


将 「『老け顔』ってなんだよ! 『老け顔』って! 俺はお前らより3年以上余計に異世界あっちに居たんだからな」









望 「それにしても白龍って凄いよね」



将 「?? 何でだ?」

譲 「?? 何でですか?」



望 「だって、白龍の力で有川のおじさんもおばさんも、海外出張って事になってるじゃない」



将 「そりゃそうだろう、こんだけの人数が突然居候するんだ。分かったら、おふくろ卒倒するぜ」



譲 「それに、父さんと母さん、いつの間にか『長期海外出張』から『海外赴任』に移行してるんだ」



将 「そうだったのか? 知らなかったぜ」



譲 「兄さんは本当に暢気なんだから」



将 「でもさ、常識として未成年の子供が2人いるんだ。

   クリスマスと正月のどっちかくらい、せめて母親だけでも帰国しそうなもんだろう」



望 「プププ〜、ママが恋しい?」



将 「ンなんじゃねえよ!! あくまでも常識としてだ! 常識として!!」



望 「白龍の力、それだけじゃないよね」



譲 「ええ、『いざ! お台場』の4と5でオレが1番疑問に思った、弁慶さんと景時さんの免許取得。

   あれって絶対に白龍が一枚噛んでいないと出来ないですよね」


将 「免許証これの時か」



譲 「それは、ヒノエの造ったニセモノ! まだ持ってたのか、兄さん。そのうち、偽造免許証の所持で警察に捕まるぞ」



望 「将臣君、明日の学年集会、持ち物検査って噂だよ」



将 「お、サンキュー、望美♪」



譲 「あの時も思ったけど、『帰らないの』のシリーズになって、異世界から来た人達の戸籍と住民票、どうしたんだろう」



望 「やっぱり白龍の力なんじゃない?」



譲 「ヒノエと弁慶さんが、役所のコンピューターネットワークをハッキングしたんじゃないのか?」



将 「どっちもはっきりしてないよな……ってより、どっちもってとこじゃねぇか?」



望 「弁慶さん、また白龍を脅したんだ……」









望 「それにしても八葉のみんなはお金持ちだよね」



譲 「それは本当に驚かされますね」



望 「え〜、私の率直な感想としてはね、譲君家も相当なものだよ」



譲 「そうですか?」



望 「だって大の男(?)7人と女の子1人を居候できる居住スペース、食器、

   全員分の布団をいっぺんに干せる庭! 更には温室! とどめは蔵!! 家の見取り図書いてみてよ!

   並のサラリーマン世帯には、絶ぇ〜っ対、無理!!」



将 「ま、そうだろうな」



譲 「に、兄さん」



将 「譲、考えてもみろよ。『いざ! お台場』シリーズではBMWと3列シートのミニバンの2台を所有して、

   その駐車スペースも自宅敷地内ってことになってるんだぜ」



望 「今、この近所の土地って、坪いくらくらいなんだろう?」



譲 「親が金持ちって言われても、ちっとも俺には実感が湧かないな」


将 「親って言うより、祖母ばあちゃん一人っていうのが正しいんだろうけどな」



望 「菫お祖母さん一人で築いた財産……、う〜ん、やっぱり星の一族は違うね… !」



譲 「先輩? 何、オレと兄さんを見つめてるんですか? 悪い笑顔ですよ」



望 「早く二人も、星の一族の才能を開花させてよ」



譲 「期待しないでくれます」


将 「譲、無駄無駄。今の望美こいつの顔は『金に目がくらんだ顔』ってやつだ」



望 「失礼ね」



譲 「俺達よりも、他の八葉の方が金持ちじゃないですか」



将 「そうそう、ヒノエなんて結構ため込んでるぜ、ありゃあ」



望 「『帰らないの』の1月時点では、ヒノエ君と弁慶さんがパソコンを何台か所有してるだけの居候だけど、

   『わずか5,000,000円から始めたネットトレード』ってある通り、

   五百万円を『わずか』って言えるくらいにはお金持ちなんだよね」



将 「八幡宮の裏手で埋蔵金を発見したんだってな。いったい幾らぐらい見つけたんだ?」



譲 「さあ、誰も教えてくれないんだ」



将 「って言うより、案外、誰も知らねぇんじゃないか?」



譲 「それは無いだろう…。少なくとも、実際に見つけに行った九郎さん、景時さん、弁慶さんの3人は、直接、埋蔵金を見ているのだろうから」



将 「弁慶……か…」



譲 「ああ、……弁慶さん……だね」



望 「で、埋蔵金って、小判なの?」



将 「? さ、さぁ…?」



譲 「鎌倉時代に小判は無いんじゃないかな」



将 「武田の『甲州金』とかでやっと戦国時代、『天正大判』は秀吉の桃山時代だからな…」



望 「??? 『和同開珎』って奈良時代じゃなかったっけ?」



将 「惜しい、708年で大和時代だ。しかも、金貨じゃなくて、その名の通り銅銭だ」



譲 「国内で最初の金貨は『開基勝宝』です。確かそれは奈良時代じゃ、なかったかな」



将 「さすが譲。日本史に強い」



譲 「って日本史選択の兄さんに言われると、なんだか嫌味に聞こえるな」



将 「そんなこと無いって。で、こいつはそれほど流通しなかったって話だ。

   ま、現在までに発掘された『開基勝宝』は全部、重要文化財に指定されてるからな、

   裏ルートでもなければ換金出来ないぜ」



譲 「九郎さんの時代まで、まだ400年以上ありますからね。それより現実的なのは、金の地金とかでしょうね」



望 「地金…って、延べ棒みたいなもの?」



将 「お♪ 新聞に今日の金相場が出てるぜ。店頭価格で、だいたいグラム3000円ってところか」



望 「10グラムで3万円、100グラムで30万円、1キロで、300万円! ね、金1キロってどのくらいの大きさ?」



譲 「さあ……」



将 「こんなもんじゃねえか…」



望 「え〜、そんなに小さい??」



譲 「金の比重は19.32ですね」



将 「お、さすが、我が弟。化学も強いね。

   ってことは大雑把に言って、1cm真四角で20gってところか」



望 「1cm真四角で6万円! 10cm真四角で60万円!」



将 「おい、望美……。お前、本当に高校生か?」



望 「え〜??」



将 「『縦×横×高さ』! 一辺が10倍になると体積は」



望 「千倍〜!! ってことは6千万円!!」



譲 「ペットボトルくらいの金塊で1億円以上ってことですかね」



望 「!!! 弁慶さん!!……」



将 「ちょっと弁慶、呼んで来い!!!」











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