知盛おれ……、拾えよ  









電話の音が鳴る。
将臣の見よう見まねで、知盛が応接間の子機を取り、通話ボタンを押す。


  「………………」


  『(…あれ? 呼び出し音……あ! で、出てたのか!? 何か言えよ)もしもし』


  「? ……」


  『もしもし?(耳の遠いジジイかババアか?)もしもし!』


  「……で?」


  『(【で】って何だよ?)俺だよ、俺!』


  「…誰だ?」


  『(や、やべ! 意外と若い男なんじゃん?)俺だよ、俺』


  「ああ……、で?」


  『(あれ? 誰だかと勘違いしてくれたのかな?)俺さ、急で悪いんだけどぉ、お金が要るんだよ』


  「ほう、それはそれは……」


  『(【それはそれは】じゃ無ぇよ、ったく)実は風邪ひいて熱があって』


  「……」


  『声も上手く出ないんでさ、ゴホゴホ』


  「十分……、元気そうな声……だがな……ククク」


  『で、医者に行こうとしたら外車と事故って、ゴホゴホ』


  「『がいしゃと……じこって…』……??」


  『で、その外車、ヤクザが運転していて』


  「やくざ……??」


  『500 万円、今日中に払わないと殺すって脅されて』


  「ああ」


  『(【ああ】じゃ無ぇだろう【ああ】じゃぁ! 何か変なのに当たっちゃったな)聞いてる?』


  「……聞いては……いる……ククク」


  『【な、何、笑ってんだ? こいつ??】でね、200万は何とか工面出来たんだけどさ、あと300万、何とかならないかな』


  「300……万……」


  『頼むよ。そうでないと俺、ヤクザに殺されちゃうんだ』


  「どこの……【やくざ】とやら…だ?」


  『へ?』


  「どこの……【やくざ】という奴に……脅されて…いるんだ?」


  『そんなことより、これからいう口座に現金を振り込んで』


  「その……やくざを殺せば……いいのだろう?」


  『はい? (こいつ、今、何て言った??) 俺の話をk』


  「られる前に……、れ……だ』


  「(こ、こいつ! やべぇよ! こいつやべぇ奴だよ!!)」


  『お前が出来ぬのなら……、そいつはオレが…殺ってやるから……どこに……行けばいい? ……ククク」


  『(危ねぇ奴だよ! 止め止め!)』


ガチャ、ツー、ツー、ツー


  「おい……。チッ………つまらん……」











10/09/14 UP
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