知盛……、拾えよ 5
電話の音が鳴る。
将臣の見よう見まねで、知盛が応接間の子機を取り、通話ボタンを押す。
「………………」
『(…あれ? 呼び出し音……あ! で、出てたのか!? 何か言えよ)もしもし』
「? ……」
『もしもし?(耳の遠いジジイかババアか?)もしもし!』
「……で?」
『(【で】って何だよ?)俺だよ、俺!』
「…誰だ?」
『(や、やべ! 意外と若い男なんじゃん?)俺だよ、俺』
「ああ……、で?」
『(あれ? 誰だかと勘違いしてくれたのかな?)俺さ、急で悪いんだけどぉ、お金が要るんだよ』
「ほう、それはそれは……」
『(【それはそれは】じゃ無ぇよ、ったく)実は風邪ひいて熱があって』
「……」
『声も上手く出ないんでさ、ゴホゴホ』
「十分……、元気そうな声……だがな……ククク」
『で、医者に行こうとしたら外車と事故って、ゴホゴホ』
「『がいしゃと……じこって…』……??」
『で、その外車、ヤクザが運転していて』
「やくざ……??」
『500 万円、今日中に払わないと殺すって脅されて』
「ああ」
『(【ああ】じゃ無ぇだろう【ああ】じゃぁ! 何か変なのに当たっちゃったな)聞いてる?』
「……聞いては……いる……ククク」
『【な、何、笑ってんだ? こいつ??】でね、200万は何とか工面出来たんだけどさ、あと300万、何とかならないかな』
「300……万……」
『頼むよ。そうでないと俺、ヤクザに殺されちゃうんだ』
「どこの……【やくざ】とやら…だ?」
『へ?』
「どこの……【やくざ】という奴に……脅されて…いるんだ?」
『そんなことより、これからいう口座に現金を振り込んで』
「その……やくざを殺せば……いいのだろう?」
『はい? (こいつ、今、何て言った??) 俺の話をk』
「殺られる前に……、殺れ……だ』
「(こ、こいつ! やべぇよ! こいつやべぇ奴だよ!!)」
『お前が出来ぬのなら……、そいつはオレが…殺ってやるから……どこに……行けばいい? ……ククク」
『(危ねぇ奴だよ! 止め止め!)』
ガチャ、ツー、ツー、ツー
「おい……。チッ………つまらん……」
10/09/14 UP
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