帰らないの? リズ先生ルート・6月V
「まいったなぁ」
「まあ、解禁日だからね」
「しっかし、これほどまで混雑するとは思ってもいなかったっしょ」
「まだ夜も明けて無いってのにな」
「どうします?」
「漁協には事前に許可を取ってあるんだよな」
「だからって、徹夜で場所取りしてた一般客に、どいてもらうってのも、どうですかね」
「仕方ないだろう」
「う〜ん、後々問題になりませんか?」
「じゃあ、どうするんだよ。もうすぐ大先生も、ホテルからこっちに到着してしまうぞ」
岐阜の長良川である。
大江戸テレビの人気番組「松形祐樹の釣り自慢!」が今回、海釣りが得意な松形に、
川釣りをさせるという無茶な企画で、ここ岐阜県の長良川水系に来ていた。
外洋でのクルージングによる豪快な一本釣りで200kg、300kgという大魚と格闘するのを得意とする松形が、
友釣りで鮎が掛かるのを渓流にジッと数時間も待つという、繊細この上ない企画にOKを出したのは、
幾つかの理由が重なったからである。
その一、松形が毎年参加し、優勝経験もあるハワイ沖でのフィッシグ・コンテストが間もなく開催され、
大江戸テレビもロケ・チームをハワイに派遣し、同番組で放映する事は以前から決まっていた。
そのため、似たような画となってしまう(しかもスケール的に見劣りするだろう)
国内でのクルーズ・フィッシングは番組的に敬遠されたのだった。
その二、海外ロケ出発間際の松形にとって、今回のロケに使える日数は僅か1日半。
前夜、京都・太秦での時代劇撮影終了後、大江戸テレビの車で岐阜に現地入りしてもらい一泊。
翌早朝、鮎釣りの解禁を待ってロケがスタート。その日でロケがOKなら問題ないが、
上手くいかなかったり天候の関係でロケ自体がダメな場合、最終日の成田出発時刻を考えると
岐阜での滞在は、午前11時がギリギリのリミットとなるかなり綱渡りなロケ設定であった。
その三、以前、江ノ島・磯釣りロケに際し技術指導にきた地元の人間に対し、松形が妙に興味を示し
(これ自体は珍しい事ではなく、現にこの番組のプロデューサーもAD時代に松形が気に入って、
この番組の企画と共に局の上層部に直接掛け合ったという、有名な逸話もあるほどなのだ)
その男、リズヴァーンという、国籍・日本、容姿・白人系の、子供向け書道教室の経営者という
掴み所の無い、不思議な人物との共演を熱望した。
しかも松形は、ハワイで開催されるフィッシング・コンテストに本当は同行させたかったのだが、
リズヴァーンの方が、長期に渡り本業である書道教室を離れることを承知せず、
この時期のタイムリーな話題である鮎漁解禁に絡めたロケが、無理矢理に設定されたのだった。
大物俳優をスケジュール的にかなり無理させる全く無名の一般人!
しかも、その大物俳優が共演を熱望し、自ら出演交渉まで行い、
更には、自らがあまり得意としないジャンルの釣りであるにもかかわらず、快諾し、
その上、かなり無理をしてまでスケジュール調整して、ロケハンに望むという、いつもの松形からすると
異例づくめとも言える事態に、大江戸テレビ局内では、さまざまな噂が飛び交った。
その噂の主が下流の川の中から、水音も立てずライトも点けずに、静かに歩いて現れた。
「え! リズヴァーンさん?」
「あ、リズさん。おはようございます」
ADやスタッフ達は、リズヴァーンを見てそれぞれ挨拶をした。リズヴァーンはそんな彼らに、穏やかな顔で
「おはよう」
と言った。もう彼らとは3日、『同じ宿の飯』を食べている仲であった。
『先乗り』として、解禁前の長良川に入り、ロケハンの場所や時間帯の確認、スタッフや機材の設置場所、
駐車場や現地ガイドの予約から、当日の昼食の発注まで、様々な事を行っていたのだ。
リズヴァーンも『先乗り』し、吉田という新卒3年目のAD1人を連れて、
この付近の長良川水系の河川敷を隈無く歩き回り、ロケに適した釣り場を調べたのだった。
吉田ADは大学時代、山岳部に所属し、日本はもとより海外の5000mを超える山に登頂した経験もある。
その経歴と体力が買われ、大江戸TVでは主にアウトドア系ロケの先乗りスタッフとして2年が過ぎた。
その吉田をしてからが、リズヴァーンの、自然とそこに生息する動植物に対する知識の深さ、
自然や動植物に対して払う畏敬の念、そして、どんなに歩いても疲れを見せない体力に、
ここ3日は驚かされてばかりだった。
そんな関係からか、吉田ADはスタッフでただ1人、リズヴァーンに対して
心からの尊敬を込めて、「リズ先生」と呼ぶのだった。
ADやスタッフ達の不安な面持ちを察して
「何か問題が?」
とリズヴァーンは、穏やかに尋ねた。
「リズ先生、実は」
皆を代表する形で、吉田ADが話し始めた。
「見て下さい」
そう言って、川原を指さした。
「どうします? こんなに場所取りされちゃって。
今朝早くに、ホテルのスタッフから解禁日の場所取りには徹夜組も出るって聞いて、慌てて
ロケ場所を押さえよう、来てみたんですけど」
「そう言えば、リズさんはどこに行ってたんです? こんな朝早く……。散歩ですか?」
「川の中を歩いて来た人に、散歩は無いだろう」
「問題無い」
「え?」
「落ち着きなさい。岐阜に来る前、鮎釣りもする釣り仲間に、ある程度の様子は聞いていた」
「何を、です?」
「解禁日の混雑。その釣り仲間も、たぶん昨夜から場所取りに」
「え? 長良川ですか?」
「いや。今年は長野の方だと聞いたが」
「そうですか」
「で? まさか、先生…」
「うむ。一昨日話していたところに先程、場所は確保した」
「『確保した』って、先生がここに戻って来ちまって、どう確保してあるんですか?」
「初日から手伝ってくれている『群上漁協』の」
「へ? 役員の櫻井さんですか」
「うむ。彼が何人か仲間と…」
「ほ、本当ですか!? ……助かった」
「リズヴァーンさん、本当にありがとう」
「その礼は、櫻井氏とその仲間の方々に」
「それにしても、いったい櫻井さんと何時の間にそんなに仲良くなってたんです?」
「そうそう。気難しそうなおっさんだったけど……」
「そりゃあ、お前がタバコの吸い殻を川に投げ込むからだよ」
「携帯の吸い殻入れを忘れたもので……」
「バカ野郎。釣り番組のスタッフがそんなことでどうする!
怒られて当然。それどころか、漁協関係者との仲ぁこじらせたら、始末書じゃ済まねぇぞ!」
「す、すみません……」
「ったく! ともかく助かったよ。リズヴァーンさん、ホント、ありがとな。
じゃぁ、松形さんは4時半にこっちに来る予定なんで、急いで機材セットしておかないと」
「それじゃリズ先生、行きましょうか。確か、駐車できるスペースが近くにあったところですよね」
「うむ。暗いので足下に注意しなさい」
「リズ先生」
車から降りるとすぐに、松形はリズヴァーンのもとに駆け寄り、深々と頭を下げた。
「話はディレクターから聞いたよ。助かったぜ。すまなかったね」
「礼など無用。雑作もないことだ」
「いやいや、事前準備の違いだぁね。スタッフにはいつもおいら、言ってたんだが……
何にしても、今日のロケが最初っから台無しにならなかったのは、先生のお陰だ」
そう言って松形はもう一度リズヴァーンに頭を下げた。
「私もこの番組の一員だと思っていたのだが……。
そう何度も他人行儀に頭を下げられると、私はこの番組の一員では無いのだという気がしてくる」
「とんでもねぇ! あんたは得難いおいらの仲間だ」
「仲間……。いい言葉だ。では、仲間である私が、皆の為に出来得る事をしたまでだと思って欲しい」
「仲間にだって感謝は示すのが筋ってもんだ。ホント、ありがとぅ。今日は、いいロケになるぜ」
「無論」
「じゃぁ、早速着換えましょうか」
そう言って松形はワゴン車に入っていった。
リズヴァーンはといえば、着換えるでもなくその場に座って、松形が来る前と同じ作業を続けていた。
それは、どこで拾ってきたのか長い竹を、愛用の短剣で黙々と削っているのだった。
数分後にワゴン車から出て来た松形は、釣り雑誌に掲載されている「鮎釣りスタイル」そのものであった。
「おお、大先生、バッチリ決まってますね」
「だろ。けっこういい値段すんだよな、こういう服。けどさ、おいら形から入るタイプだからね」
「流行りのドライタイツなんですね」
「流れに何時間も入ってるんだろう。おいら、けっこう冷え性なんでね。さ、リズ先生も着換えてくださいよ」
「いや、私はこのままで」
「え? でも、川ん中ぁ、水も冷たいでしょう?」
「慣れている」
「そうですかぃ? まぁ、先生がそう仰るなら……。ところで先生、さっきから何ぃ竹を削ってるんですか?」
「竿を」
「竿? へ? 今日使う奴ですかい?」
「うむ」
「それだった、カーボン製の何だか軽そうないい竿をスタッフが用意して」
「これが一番慣れている」
「リズ先生って、いつも竿は現地調達なんですか?」
「海釣りではそうも言っていられまいが」
「でも、そう言えば、江ノ島の時の磯竿も継ぎの無い竹の竿でしたね。
それにしても、よくこんな長っがい竹、見つけてきましたね」
「うむ」
「しっかし、鮎釣り用の竿ってぇのは10mはあるって言うじゃねぇですか。
この竿、さすがにそこまでは長くは無ぇですが、大丈夫ですか?」
「問題ない」
「そうですか。先生のことだ。じゃ、今日も期待してます。よろしくお願いします」
「全力を尽くす」
「じゃあ、こちらが群上漁協役員の櫻井さんです」
「よろしくお願いします」
「はい。では、オトリの鮎を配りますんで」
ADの1人がそう言った。
「オトリの鮎ってのは何でぇ?」
鮎釣りに不慣れな松形は、すべてが珍しいらしく興味津々といった顔で周りのスタッフに尋ねてくる。
「ああ、大先生。今日は、縄張り意識の強い鮎の習性を利用して『友釣り』っていう釣り方でして」
「友釣り? ああ、何か聞いた事ぁあるな。でも、おいらやったことも無ぇし、仕掛けも作れ無ぇぜ」
「それは友釣りのベテラン、櫻井さんが大先生とリズヴァーンさんの分は作ってくれてますので」
「いや、私はいい」
松形と吉田ADが驚いた。
「え? リズ先生は自前の仕掛けを持ってきてるんですか?」
「うむ。正しくは、昨夜作っておいた」
「じゃあ、オトリの鮎を貰ってきますね」
「それも、不要」
「え?? 友釣りにオトリ使わないんですか?」
「『友釣り』という釣り方で、鮎を釣ったことは無いので」
「じゃあ、どうやって釣るんです?」
松形が、嬉しそうに尋ねる。
「これを」
そう言って篭からリズヴァーンが出したのは
「鮎じゃないですか!」
「おいおい吉田ちゃん、良く見てみなよ。これ」
「何です、大先生? ?? あ! この鮎って……、木の葉と、何かの草の蔓で作ったんすか?」
「へぇ〜、実に良くできてるねぇ……」
「言うなら、草と葉っぱで出来た鮎のルアー、ですかね」
「ハハハ」
背後の笑い声に振り向くと、そこに漁協の櫻井役員が立っていた。
「私も驚いたがね」
「櫻井さん。こういう釣り方ってあるんですか?」
「いやぁ〜、見たことは無いね」
「ですよね」
「『見たことは無い』ってぇことは、『聞いたことはある』ってぇことですかぃ?」
すかさず突っ込んだ松形に、櫻井は笑いながら
「お! お奉行さんは、鋭いねぇ。聞いたっちゅか、読んだってぇ方が正しいんですがね。
『何羨録』っちゅう江戸は元禄頃に書かれた釣りの指南書に、ちょこっと載ってるだけなんだが」
「へぇ、おいらにも縁のある時代の書物だね」
「その書によると、平安から鎌倉にかけての頃、なんでも関西、特に京の方でやってた漁の仕方で、
その漁が現在の友釣りに発展したっちゅう説もあるらしいんですがね」
「へぇ。さすがはリズ先生だぁね」
「私も昨日いっしょに場所探ししながら、この人には感心するやら驚くやらで」
「何でです?」
「地元の人間でも気ぃ付かねぇようなポイント、チャッチャと見つけるんだ、これが。
実に『川見』が巧い。アカの附き具合の見方なんざぁ、俺より上だ」
「アカ?」
「川ン中の苔とか藻のことさ。鮎は、自分の縄張りのほんの1〜2mぐらいの範囲の藻を食うんで、
アカに食み跡があるんだよ。そいつの新しい古いで、鮎が今居るンか居らんのかが分かるんだが」
「なるほど」
「へぇ」
「おいおい、松形さんもスタッフさんも、そんなんで良く解禁日の鮎釣りしようって来たな」
「面目ない」
「その点、この外人さんは凄ぇよ。鮎の事ぉ良く知ってるよ。
その上、昨日なんざぁ、いきなり竹藪ン中に入っていったかと思うと、
真っ直ぐな、いい竹ぇ2、3本持ってきてよ。何にするんだって聞いたら、釣り竿作るって言うし。
その上、今度ぁ、疑似鮎かい? それにしても見事なモンだねぇ。御丁寧に目ン玉まであるよ。
どんな仕掛けで釣るのかも見せて貰ったんだが、シンプルだけど、これがまた良く出来てンだぁ。
釣り師が金かけた道具を自慢してちゃいけねぇって、俺も随分反省させられたよ」
櫻井の興奮気味に語る言葉に、まるで自分の事のように喜んで松形が言う。
「いやぁ、やっぱリズ先生は凄いねぇ。おいらの眼に狂いは無かったってことだな」
「これは、何があっても釣果を示さねばならぬらしい」
リズヴァーンが笑いながら、そう言って立ち上がった。
「ええ、期待してますぜ。リズ先生!」
始めの内は、芸能人が鮎釣りのロケに来ている、といった程度の話が釣り人達に流れただけであった。
釣り人の多くは、折角の鮎解禁日に、TVのロケで漁場が荒らされることの不快感からの噂だった。
芸能人がクルーズ・フィッシングで有名な松形祐樹だと分かり、
荒っぽい海釣りの人間にデリケートな鮎釣りができるものか、といった侮蔑から生じた興味となり
ちらほらと見物に来る者が出始めた。
始めのうちの見物人は、夫や家族や恋人の鮎釣りについてきたものの、川の中に入ったままで
少しもこちらに戻ってくる気配のない釣り人に呆れ、暇をもてあました妻や家族や恋人だった。
そんな人々が、肉親や恋人の釣果に比べ、どう身内を贔屓目に見ても圧倒している1人の釣り人に注目し
それを川の中の釣り人に驚き半分、揶揄半分で伝えた事から、ギャラリーは徐々に増えだしたのだった。
竿はこの近辺に自生している竹を切って作ったものらしい
(俺の・あなたの・竿は鮎釣り用のカーボン製で10万円以上したのに……)
友釣りとは違う、この辺りに自生している葉と草と蔓を編んで作ったルアー?を使った釣り方らしい
(オトリの鮎って買うと高いんだよなぁ…… / 鮎を買って、その鮎で鮎を釣るの???)
服装は腰まである、いわゆる胴付きゴム長靴を履いただけの服装で
(ドライスーツは濡れないけど、値段が……)
気が付けば数十万円の道具に囲まれて、そして釣果は……
そんな自己嫌悪とも反省ともつかない気分で、人々は噂の釣り人を眺めるのだった。
「おお、また釣った!」
「すげぇ…。何者だ? この外人さん」
「鮎釣りの入れ食いって初めて見た…」
「『暴れんぼう奉行』、けっこう鮎釣りもサマになってんじゃん」
「鮎釣りって簡単なのね」
「お前! やったこと無いからって……。何だよ、その目……」
そして午前11時。
恐ろしい程の数のギャラリーが注目する中、撮影を開始して6時間も経っていないのに、
撮影は、スタッフの会心の笑顔とギャラリーの雷鳴のような拍手の中で、終了が告げられた。
釣果は
松形祐樹 11尾 …… 「ま、リズ先生の教えてくれたポイントに糸ぉ垂らしてただけだけどね」
櫻井役員 21尾 …… 「いやぁ、リズさん見てて、つい本気になっちまったが……」
そしてリズヴァーン 42尾 …… 「……」
その上、ギャラリーが更に反省させられ、漁協関係者が感激したのは
釣り場を移動しながらリズヴァーンが、そこここのゴミを黙々と拾い集めていたことだった。
ゴミの多くは前の年の釣り糸であった。しかも、大型のゴミ袋3つでも入りきらないほどの。
その釣り糸の多くには、仕掛けや釣り針がついたままだった。
「子供達が怪我をしてはいけないと思い、したまでのこと」
そう言って、リズヴァーンは笑いながらゴミの分別をしていた。
「リズ先生、おいらにも手伝わせてくんな」
「お、おい、AD! 大先生とリズヴァーンさんにだけ、やらせてんじゃ無ぇよ」
「解禁前に漁協と地元の有志で、掃除したんだけどねぇ」
そう言いながら、櫻井役員と数名の漁協関係者も参加した。
誰から言い出したわけでもないのだろうが、このロケを見ていたギャラリーも
あちこちでゴミ拾い、河川・河岸の清掃を自発的に行い始めた。
『イヴニングニュース、続いてはローカルニュースです。
本日、日本各地で鮎釣りの禁漁期間が解除されました。
多くの河川で今日の解禁を待って鮎を釣ろうと、早朝から太公望達が大勢押し寄せています。
そんな中、岐阜県長良川水系で、ちょっと変わったニュースが入ってまいりました』
『現場の花沢です。こちらは岐阜県群上市を流れる長良川です。
後ろの河原で黙々と作業をしている人々が御覧いただけるでしょうか。
この人達は今日、この長良川に鮎の解禁を待って釣りに来ている人達です。
しかしこの人々、その解禁日の釣りを一旦中止してまで、何をしているかというと、
川原に何年も捨てられた釣り糸や仕掛けといった、一見見つけづらいゴミを拾っているのです。
別にそうした河川敷清掃の催しでも、釣り人への義務で何でも無いのが驚きです。
この人々は、自発的に、自然発生的に、こうしてゴミを拾っているのです』
『花沢さん、聞こえますか? スタジオの内山です。
この人達はどうして、解禁日当日の鮎釣りを、一時中断してまでゴミを拾っているんですか?』
『何人かにインタビューしましたので、御覧下さい』
【いや〜、漁協関係者としては感謝してもしきれないねぇ。
鮎ぅ釣る腕は超プロ級で、その上、人間ができてるんだから、リズヴァーンさんは凄ぇよ】
【いやぁ、あの人見てると、鮎って簡単に釣れんじゃねって思うんだけどねぇ。鮎釣りの神だよ、神。
その人があんだけ鮎釣るの一緒に、ゴミバケツ4つか5つ分のゴミまで拾っちゃうじゃん。
鮎釣りの凡人としてはさ、神ぃ見習ってさ、拾わねぇわけにゃいかねぇじゃん】
【さすが、おいらが見込んだだけの、いやぁ、それ以上のお人だぜ、リズ先生は】
『え? あの、花沢さん? 最後の……、俳優の松形祐樹さんじゃぁ……』
『多くの人にインタビューをした結果ではですね、東京の大江戸テレビが釣りのロケをしていて、
その出演者の1人がゴミを拾い始めたことから、このような地域を巻き込んだ大騒動、あ、いや、イベント…
何と言ったらいいのか言葉が見つからないのですが、こうした人々の自発的行為を誘発したようです』
リズ先生……。長良川で何やってるんですか??
そう思いながら、笑い転げる春日望美であった。
10/08/06 UP