あっくんのお食事・4











 「なにやら皆さんが敦盛君に、朝食をふるまっていると聞いたもので」


と言って、早朝に弁慶がdragon noir景時の店にやって来て、

景時と朔が唖然としている間に、厨房で料理を作り始めた。



敦盛のやって来る時間を知っていたかのように、ちょうどいいタイミングで料理が出来上がり、

敦盛の前に並べられた。



 (兄上……、どなたが弁慶殿に?)



 (さ、さぁ? 譲君じゃない?)



 (そうでしょうか…?? 《 ああ弁慶殿、相変わらずの地獄耳でいらっしゃるわ…… 》 )



 「なにやら、隅でコソコソ言っている声は気にせず、

  さ、敦盛君、どうぞ、召し上がってみてください」



 「べ、弁慶殿……、これは?」



 「僕は薬師ですからね。

  それに、こちらの世界に来てからは『漢方』というものも勉強しましたので」



 「は、はぁ……」


 「で、これは、その勉強の成果です。『中華風 薬膳やくぜん朝粥あさがゆ』とでも、命名しましょうか」



弁慶が慣れた手つきで土鍋の蓋を取ると、美味しそうな香と湯気が広がり、敦盛の食欲をそそる。



 「土鍋も熱いですから、気を付けてくださいね。

  ちょっと軽めの『小豆粥』に、漢方の具を入れて、

  ホタテの干し貝柱とアワビでダシをとって、味を調えてあります」



 「この上にのっているモノは…?」



 「赤いのはクコの実です。古くから薬用に使われていますが、

  そんなことより、少し甘酸っぱいドライフルーツですから、お気に召すと思いますよ。

  あ、それは、ホタテの貝柱とアワビを薄くスライスしたものです。

  ダシをとるだけで捨ててしまっては、もったいないですからね」



 「このような高価なものを」



 「敦盛君は、そのようなことを気にしなくていいのですよ」



 「す、済まない……」



 「いえいえ( しっかりヒノエに請求書は回してありますから♪ )

  中華粥は本来、香草を入れるのですが、癖があるので敦盛君が嫌がるかと思いまして」



 「御気遣い、痛み入る…」



 「代わりに、色合い的に岩海苔を添えてみました」



 「……」



 「その細長いのは、白髪ネギとショウガの千切りに醤油と胡麻油少量であえたものです」

  その垂らしてあるものは、本来はラー油なのですが、

  ラー油では敦盛君には辛すぎるかと思いましてね

  オイスターソースと醤油を割ったモノにしてありますよ」



 「美味しい…。何やら身体の奥から元気になっていくような…」



 「それは最高の褒め言葉ですね。ありがとうございます。

  ま、それ以外にもいろいろ入ってますよ、何と言っても薬膳ですからね」



 「…い、いろいろ……」



 「ええ、『いろいろ』…です♪」











08/07/25 UP

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