あっくんのお食事・6
「明日には、ヒノエ殿が帰ってくるのですよね?」
「ああ、そうだ」
「早いものだわ、1週間なんて」
「朔殿には、世話になった」
「世話なんて、そんな堅いこと考えずに、いつでも食べに来て下さい
だいいち、ああ……、私が作ったのなんて1回だけだわ
(せっかく譲殿と2人で、あれこれ野菜嫌いな子用のレシピを考えたんですもの)
まだ、あれもこれも食べてみていただきたいわ」
「す、すまない…」
「と、いうことで、今日の朝食は俺が作ったからな」
「譲…」
「さ、粥が冷めないうちに食べてみてくれ」
「馳走になる……、弁慶殿の粥とはまた趣が違うのだな」
「ああ、弁慶さんのは『中華風』、俺のは『京風』ってところだからな」
「『京風』……」
「タレを粥にかけて食べてみてくれ。
タレは出し汁と醤油と味醂を加えたものに、片栗粉でとろみをつけたものだ」
「あ…、ほんのり甘辛くて美味しいものだな」
「よかった…。弁慶さんの豪華な中華粥と比べると、かなり質素だからな
おかずは『青菜のおひたし』と、ちょっと甘めの出汁で味を整えた『厚焼き卵』、
『キュウリの浅漬け』と、それからこれはリズ先生からの差し入れで『サワラの西京焼き』」
「リズ先生……。譲…」
「何だ?」
「これはこれで、十分豪華だと思うが、違うだろうか?」
「リズ先生の『サワラの西京焼き』があるからな。
どうせ昨夜もろくなモノ、食べてないんだろう?」
「……くパンは食べた」
「またか…、どうして家に来ないんだ。夕飯くらい作ってやるのに」
「あまり…世話になっては申し訳ないので…」
「また食べてないんじゃないかって心配する方を、気にしてくれ」
「そう…なのか…」
「…ククク、この店は…いつから客に食事を強要するように……、なったのかな?」
「知盛!」
「知盛殿!?」
「知盛殿!」
08/08/06 UP