拍手 3  ハロウィン編  07/10/21 UP









「何やら今日は、街に子供たちが多く出歩いているようだが?」

「九郎さん、知らないん……ですか?」

「何をだ?」

「今日はハロウィンなんですよ」

「はろいん? なんだそれは?」

「欧米の『お盆』に当たる、『万聖節』の前夜祭です」

「宵宮か……だが何で子供が妙な服装をして練り歩いているのだ?」

「『Trick or Treat !』と言って家々を廻って、お菓子を貰うんです」

「とりくおあと……、ん〜舌をかんでしまいそうだな。その妙なまじないは何なのだ?」

「『何かおくれ。さもなきゃ、悪さするぞ!』って意味です。」

「それでは『たかり』ではないか! やめさせてくる!!」

「だから!」












「とりっくおあとり〜と。とりっくおあとり〜と。とり…」

「どうしたんですか 九郎? 珍しいですね。君の口から横文字が発せられるなんて」

「いや、べ、別に……」

「? 妙ですね。何を隠しているのですか?」

「べ、弁慶!! 何でもないと言っているだろう!」

「……九郎、一言、忠告しておきますよ。
 その門づけの言葉でお菓子が貰えるのは、『子供だけ』ですからね」

「え! そうなのか……! あ」

「やっぱり……やれやれ」












「Trick or Treat !」

「Trick or Treat !」

「トリック オア トリート!」

「とりっくおあ とりーと!」

「Trick or Treat !」



「弁慶、彼らはいいのか?」

「え?」

「ヒノエと敦盛は、あの一団の中に混じっているぞ!」

「え!? やれやれ、こういう時だけは「子供」ぶるんですね、あの子達は……」





「今日はお菓子が大漁だったのでしょう」

「う(どうしてバレてるんだ)!」

「い、いや(何故、弁慶殿が御承知なのだ?)……」

「良かったですね、ヒノエ、敦盛君」

「……」
「……」

「御飯も残さず召し上がってくださいね」

「わ、分かった……」

「『ピーマンの肉詰め』と『青椒牛肉絲』と『ゴーヤチャンプルー』ですからね」

「う!」


     敦盛 ファイト!!












「朔〜、カボチャを買ってきたよ」

「カボチャ? 兄上! なんですか、この巨大なカボチャは!!」

「これで『ジャックのランタン』を作って、お店の前に飾ろうと思ってさ〜♪」

「どこで、こんな大きなカボチャを売ってるんです?」

「亜米利加のノースカロライナ州に」

「そのための2泊3日の旅行だったのですか?」

「うん」

「うん、って。とっても大事な商用だって仰ってたじゃないですか!」

「だって、日本じゃ買えな」

「あ! に! う! え!!!!」












「お、お前 行けよ!」

「ええ!! ここはやっぱりジャンケンだろ」

「俺、パス」

「パス無し!!」

「でも、確率1/2じゃんよ〜」

「じゃあ、お前行くか?」

「でもな〜、ああやって嬉しそうに待ってるんだぜ……」

「ラッピングは綺麗なんだよな〜」

「あそこの茶店の朔ねーちゃんのお菓子はうまいんだけど……」

「な〜」

「でも、どうして毎年、その友達の望美ね〜ちゃんまで手作り菓子もってんだよ〜」

「誰か、ホントのこと、言ってやれよ」

「それは、それで……な〜」

「うん」

   毎年、Halloweenの夕方、思い悩む心優しいチビッ子達であった。