拍手 4 クリスマス編 07/12/14 UP
1
「見て見て、朔〜♪」
「何ですか? 兄上」
「これこれ」
「まあ♪ クリスマスツリーですね、飾り付けたのですか」
「うんうん、去年は迷宮とかあって、忙しかったから、ツリー無しだったじゃない」
「ええ、そうでしたわ」
「ほらほら、こうしてスイッチをいれると」
「綺麗……」
「それにね、呪を唱えると」
「唱えると……?」
景時は呪を唱えた。
「あっという間に高さが3倍に」
「兄上!! て、天井を突き抜けてしまったではないですか!」
「大丈夫、大丈夫。幻術で見える幻影だから」
「2階で、望美が驚いてるでしょうね……今頃」
2
「さ、朔〜、私、死ぬかと思ったよ」
「望美、どうしたの? 大丈夫?」
「さっき2階の朔の部屋で寝っ転がって、雑誌を観てたら」
「観てたら?」
「私のお腹を突き抜けて、クリスマスツリーが突然生えたんだもん」
「そ、そう……」
「変な夢だよね、起きてたはずだったんだけど」
「他に何か?」
「ううん、それだけ」
「そう……」
「ただ、ツリーの飾りの金魚とオオサンショウウオが妙にリアルだったな」
「サンショウウオ?」
「しかも私と眼があったとたん、ケケケって笑うの」
「サンショウウオが?」
「ううん、それはジンジャークッキー」
3
夜中にベット脇にどこからともなくサンタが現れて、
吊しておいた靴下にプレゼントを入れ
にっこり笑って消える。
その様子を薄目を開けて観ていた子供は、びっくり仰天!
あのサンタは……
背丈は鴨居より高く
輝くばかりの金髪に碧い眼
サンタの赤い服と帽子に
ご丁寧に白い髭までつけてはいるけれど
間違いなく、書道教室のリズ先生
でも、
どんなイリュージョン???
考えれば考えるほど眠れなくなる
翌日、寝不足の子供達は
誰から言いだしたと言うのでもなく
書道教室に集まってきた
「リズ先生! 昨夜、僕ん家に来たでしょう」
「私の所にも」
「どうやって来て、帰ったんだ?」
「答えられない」
優しく微笑むリズヴァーンであった。
4
八葉のみんなが蒼い顔をして奥の部屋の前で、聞き耳を立てている
奥から声が微かに聞こえてくる
「こちらの化粧の品はとても肌ののりがよくて」
「そうですわね、『てはにー』という店の装飾品も綺麗でしたわ」
「それに、『しゃねる』とかいう服も、肌にしっくりくる着心地で」
「オーホホホ、それにしても殿方はだらしないですわね」
「この『もええちゃんどん』って、口当たりがよろしくて」
「あらあら、もう3本目も空ですわ。景時に、もう何本か持ってこさせましょう」
「あなたの旦那様はどうしてらっしゃるのですか?」
「さあ? どこぞで酔い潰れておられるのでしょう、オーホホホ」
この笑い方は……まさか……政子様?
差しつ差されつしてる相手は誰???
意を決して、扉を開く
後ろから
「あ、姉上」
「お、伯母上」
引きつった声で、九郎さんと敦盛さんがつぶやく。
そこには
北条政子と、
二位の尼・平時子の酔っぱらった姿があった。
5
「めりい くりすます 望美」
「びっくりした! 九郎さん!」
「めりい くりすます 望美」
「九郎さん、え! 英語しゃべってるんですか」
「驚きましたか? 望美さん」
「弁慶さん、サプライズです」
「これが僕からのクリスマスプレゼントですよ」
「え? 『俺からの』ではないのか?」
「誰が君に英語を教えたと思ってるんですか?」
「そうだな、感謝する」
「で、九郎さんからのクリスマスプレゼントは何なんですか〜?」
「え、え〜と、それはだな……」
「まさか、ないなんて言いませんよね♪」
「うっ…!」
まるで、某軍師のように微笑む望美といつもの笑顔の某軍師であった。
没ネタ
望美は、景時からの連絡を受けて、慌てて dragon noir に駆けつけた。
扉を開けて、フロアが尋常でない人数に埋まっていることに驚く。
「神子様!」「神子殿!」「神子!」「お嬢さんじゃないか」「十六夜の君!」
え? 経正さん? 秀衡さん? 泰衡さん? 湛快さん? 銀?
厨房に行こうとする望美の腕を掴んで
「くくく、面白い趣向だな」
ええ! 知盛! 何で?
「私が呼んだ」
「白龍?」
「『みんなと楽しく賑やかなクリスマスを過ごしたい』
そう神子が言の葉に願いを乗せたから」
「だから、みんなを呼んでくれたの?」
「うん、そうだよ」
向こうの方では清盛さんと忠度さん、もう完全にできあがってるじゃない!
誰! 子供の清盛さんにお酒飲ませたの!
よく観ると、どいつもこいつも、かなりの酔っぱらい!
大人のクリスマスって、大っ嫌い!!!