夏の怪談   08/08/02 UP





夏の怪談1







  「………そして、蝋燭の炎が…消えた」



  「……」



  「……(きゃー!)」



  「……」



  「あかね、やっぱりお前の話し方、ヘタなんだよ。ちっとも恐くないぜ!」



  「え〜〜そんなぁ、天真君…。泰明さん、やっぱりダメですか?」



  「…問題ない」



  「いや、だから『問題』があるとか無いとかじゃなくて」



  「……祓えばよい」



  「あ、ありがとうございます。……ハハハ」



  「あ、あかねちゃん……、僕は十分恐かったよ…」



  「ありがとう♪ そう言ってくれるのは詩紋君だけだよ」



  「べ、別に僕は、気を使ってるわけじゃなくて……。ね、十分恐かったよね。藤姫…! あかねちゃん!」



  「え? え!! ふ、藤姫ぇ〜!! しっかりして! 誰か! 水! お水を!」



  「問題ない。気を失っているだけだ」



  「だから! それが問題なんです!!」















夏の怪談2





  「………そして、蝋燭の炎が…消えた」



  「……」



  「……」



  「(頼忠、ほら、恐がってやれよ)」



  「(イサト、お前はそう言うがだな……)」



  「(せっかく神子が、我らのためにこのような宴を催してくださったのですから)」



  「(泉水殿の仰る通り。せっかく、私の白菊が話された物語なのだからね。さ、恐がってあげなさい)」



  「もう、いいです! ごめんなさい、お話がヘタで…」



  「(ああ……先代ならば、このような時どうするのだろう)」



  「え? 勝真さん? どうかしたのですか?」



  「か、花梨。ろ、蝋燭が消えた後は……? その後はどうなるのだろう?」



  「か、勝真、脂汗がすげぇぞ! いったいどうしたって言うんだ?」



  「な、何でもない! ただ……」



  「ただ? できれば、暗くて狭いこういう場所、は……」



  「あ! わ、忘れてた!! 勝真さんごめんなさいー!!」



  「うわぁー! し、しっかりしろ!! 勝真!!」















夏の怪談3





  「………そして、蝋燭の炎が…消えた」



  「……」



  「……」



  「……」



  「何か、ちっとも恐くないね…」



  「あ、ごめんなさい望美。そんなことは、ないと思うの……たぶん」



  「ダメですよ、先輩。俺達、怨霊だの妖怪だのとリアルに戦ってきたじゃないですか」



  「そうだよね〜〜、こ〜〜〜のくらい間近で、刀振るってたんだもんね〜〜」



  「オバケだ、怪談だって言われても……、ちょっとね〜」



  「恐いという気分は、欠片も無いわね」



  「気持ち悪いのは慣れなかったけど、ね」



  「政子様の方がよっぽど」



  「ギャァ〜〜〜〜〜!! ダメ! その名前はダメ!!」



  「兄上への怪談は楽でいいわ」



  「でもそれ、景時さんにしか通用しないよね」



  「じゃ、先輩にだけ通用する『怪談』をしましょうか?」



  「私だけ??」

  「望美だけ??」

  「望美ちゃんだけ〜〜??」



  「怪談って、譲君、何? そのメモ…??」



  「『明日の朝、HRの前に家庭科準備室の鈴木先生の所まで来るように』

   あと、これが数学科の大澤先生からで『数Uの課題が未提出なのはお前だけだ』

   英語のバートン先生からは『明日、リスニングの再チェックがあると伝えてください』

   それからえーと、担任の……」



  「きゃぁ〜〜〜〜〜!!!」















夏の怪談4





  「………そして、蝋燭の炎が…消えた」



  「……」



  「……」



  「で?」



  「え? アシュヴィン、『で?』って何?」



  「存外、おもしろくは聞いていられたのだが、そこで終わりではあるまい。

   だから、その『ろうそく』とかいう物が消えた後だ。どうなったのだ?」



  「ダメですね、千尋。こういう話にはいろいろと文化的要素が背景にあってこそ、

   恐怖とか、不安とかという感情が、2次的に派生するものなのですから」



  「??? か、風早、何を言ってるの? それ日本語?」



  「千尋にそんな小難しい説明したって、無駄だね」



  「え〜〜」



  「レモンを食べたこと無い人にレモンの話をしても、酸っぱい気分にはならないってことさ」



  「そうか……、そうだね」



  「分かったよ、お姉ちゃん!」



  「え? 何?? 何が分かったの、シャニ?」



  「レモンを食べれば、お姉ちゃんのお話、恐くなるんだね。僕、遠夜を呼んで来る♪」



ボカ!



  「痛ぁ〜〜〜い! お姉ちゃぁ〜ん! この人、僕を殴るんだよ!」



  「お前、根本的に僕の話を分かってないだろう」



  「え〜〜〜。遠夜じゃ、ダメなの?? じゃぁ、カリガネ?」



ボカ!!



  「お姉ちゃぁ〜〜〜ん!」



  「那岐! こんな小さい子に暴力はやめて!」



  「お父様に言いつけてやるぅ!」



  「禍日神と白龍も付いてきたりして」



  「千尋!」



  「神子!!」



  「参ったね、それが、…一番恐い」



  「今の一言は、存外恐ろしかったな」



  「じゃ、怪談は成功ってことね」



  「百物語じゃなかったんですか?」















神子に質問!!   −神子様たちのぼやき−



Q、1番つらかったことは何ですか?



   あかね「え〜、一番つらかったことですか? う〜〜ん、今、思い出すとあんまり無かったような……。

       あ、やっぱり、蘭に嫌われてた事かな……」



   望美 「そうだよね、黒龍の神子は何と言っても対だもん♪」



   あかね「あなたは朔ちゃんと最初から仲良しで、うらやましいよ。シリーズの中でも一番仲良しじゃない?」



   望美 「そうだね♪ 朔、年上だけど可愛いし」



   花梨 「私にとっては千歳ね」



   あかね「そうでしょ。声が桑島さんだし…」



   千尋 「私には、いないみたい……」



   あかね「一の姫なんじゃない? 声が桑島さんだし…」



   千尋 「そうかな?」



   花梨 「あかねちゃんって、声で判断するの?」



   望美 「追加ディスクが出たら、そこのところが分かるんじゃない?」



   あかね「そうそう、追加ディスクが出るだろうって、もっぱらの噂だもんね」





Q、テーマは1番つらかったことなんですけど……



   千尋 「あ、ごめんなさい。現世界の食べ物が異世界では食べられないことかな、私は…」



   あかね「え〜〜、みんなそうだよ」



   千尋 「だって、あかねちゃんには詩紋君がいるでしょ。それに望美ちゃんには譲君」



   望美 「風早さんと那岐君は、何か料理してくれないの?」



   千尋 「現世界では当番制で食事を作ってたけど、異世界では作ってくれないな……」



   花梨 「私……現世界からの仲間が誰もいなかった……」



   望美 「それは……」



   千尋 「…けっこう…」



   あかね「……キツイかも。で、でも、でも、私と花梨ちゃんは、貴族のお屋敷で暮らしてたわけだから…」



   千尋 「私も中つ国の二の姫だったから……」



   望美 「そういう点では私、野宿もけっこうしたな。戦の行軍中なんて泥水飲んで、水飯かっこむだけだったし…」



   あかね「ど、泥水! 信じられな〜い!!」



   花梨 「水飯って?」



   千尋 「かっこむ?」



   あかね「望美ちゃんの場合、実際の戦闘があったわけじゃない。あれ、つらかったんじゃない?」



   望美 「そう…ね。で、でも、リズ先生と九郎さんが、剣を教えてくれたから…

        リアルで戦闘っていうなら、千尋ちゃんだってそうでしょ」



   千尋 「う〜ん、でも私の場合は、怨霊が中心だし……」



   望美 「でも千尋ちゃん、白龍と戦うルートってつらくなかった?」



   千尋 「望美ちゃんみたいに白龍が仲間になって一緒に旅したわけじゃないから」



   あかね「龍神や白龍があれほど登場したのって、望美ちゃんのだけじゃない?」



   望美 「そっか……、白龍への親近感って、みんな違うんだ……」



   花梨 「龍……? 見てない…」



Q、だから! テーマは1番つらかったことなんですけど……



   望美 「私は……八葉が、必ず死んじゃうイベントがあるってことかな…」



   あかね「うんうん! あれはびっくりしたよ。いきなり全滅エンドなんだもん!」



   花梨 「その前にも、リズ先生が」



   あかね「そうそう、『お前達は生き延びなさい』って…」



   望美 「思い出すだけで、泣いちゃうよ〜」



   千尋 「花梨ちゃんは?」



   望美 「八葉が院側と帝側に分かれていたことじゃない?」



   あかね「自分以前に、もう『龍神の神子』がいたことでしょ」



   千尋 「現代からの仲間がいなかったことじゃない?」



   花梨 「ゲーム中に私の声、無いの……」



   あかね「あ、それは寂しい…」



   望美 「でもね花梨ちゃん、出れば出たで、けっこうアレコレ言われるから」



   千尋 「そうそう」



   花梨 「でも……1番つらいの、別なの」



   あかね「なになに?」



   望美 「何々?」



   千尋 「何なの?」



   花梨 「……追加ディスクが出なかったこと……。影薄いんだ、私……」



   あかね「こ、こんど3人で一緒に『夢浮橋』出すじゃない」



   望美 「そだよ! みんなで頑張ろうよ!」



   千尋 「……私…出てない……」