子蝶の舞
知盛8歳、重衡7歳、敦盛誕生直後の設定です。
「お生まれになりました!」
「姫君もお子様もお元気で」
「男の子でいらっしゃいますよ」
「と、いうことは私の弟なのですね」
「はい、経正様。おめでとうございます」
「わ、私の弟……♪」
「兄上、経盛叔父上のところに、男の子が生まれたそうですよ」
「重衡…、頭が痛いから…もう少し、静かに話してくれないか」
「またですか? 比叡の御坊のお言いつけを守らなかったのですか?」
「あんな…クソ坊主の言うことなど…、あてになるものか」
「また、そのような悪態を。仏罰が当たりますよ」
「お前が仏罰…? 信じてもいないくせに……よく言うものだ…な」
「では、せめて薬師の調合した宋渡りの薬を」
「あんなもの…、口に入れたら、かえって具合が悪くなる…
どうせなら、酒でもどこぞから……持ってきてくれ」
「そうやって、厨からくすねていらっしゃるのですか。
母上が困っていらっしゃいましたよ」
「母上が?」
「『初冠の儀式前から酒を飲むなど、いったい誰に似たのでしょう』と」
「2年も前…の、ことではないか…」
「そう仰いますが、まだ兄上は8歳なのですよ。
わずか8歳で酒浸り、ですか?」
「従五位下、武蔵守なのだ……。良いではないか…」
「そういって女房達をいつも困らせているんですね」
「そのような事は……」
「隠してもダメです。小舎人童と童女が教えてくれましたから」
「あいつら…」
「怒らない怒らない。それもこれも兄上を心配してのことなのですから」
「重衡……長生きしたければ…、他人は信用せぬことだ…な」
「また、そのような」
「ここ京ではな……、貴人の毒殺など話題にもならぬほど……日常茶飯事なのだ。
六波羅とて同じ…。そうは思わないか、重衡……」
「兄上…」
「それにしても…、経正が大喜び……だろうな」
「ええ、それはもう」
「で? その赤子の名は?」
「さぁ? 私も今し方、聞いたばかりですからはっきりとは…」
「そうか。では…、経正の兄馬鹿面を眺めに行くと…するか?」
「惟盛殿もそろそろお着きになる頃か、と」
「急に…行きたくなくなった…」
「兄上!」
「どうせ…桜の枝を頭に挿して…阿呆のように…オホホホとか笑ってるんだろう」
「お優しい方ではありませんか」
「冗談だろう…惟盛と経正がそろうと…、ろくな事が起きない…」
「お二方とも、兄上が可愛くて仕方ないのですよ」
「だからといって、俺に……五節の舞姫の格好を無理矢理させるか…?」
「お可愛かったと、もっぱらの評判ですが」
「お前…、本当にどこから…そういう情報を入手するんだ…?」
「秘密、で〜す」
「初冠と同時に…あちこちの女房に手を付けているとは……、
我が弟ながら…、先が恐ろしいな」
「いいではないですか、酒浸りよりは」
「どっちもどっち、だな」
〜あとがきという名の裏ネタ?(この下から反転です)〜
お、落ちてない………orz
当サイトは腹黒な銀推奨なので、今回の銀、もとい重衡くんは腹黒設定です。
っていうか、7歳や8歳であんなんなんて!ちょっといや〜!!(笑)
でもまぁ、昔は大人になるの早かったですからね、今の感覚ではだいたい15歳前後みたいなところなんですが。
ちなみに、なぜかリズ先生はあの兄弟がこんななことを知っています。さっすがリズ先生!!
08/09/24 UP