八葉を驚かそう ( 弁慶さん編 )
「! え!? あ、あなたは…新中納言知盛殿……ですね。お久しぶりです」
「………誰……だ?」
「そ…、そうですか……、残念ですね。
六波羅でも福原でも、あれほど清盛殿のお側に出入りしていたのに……」
「冗談だ……ククク、頭巾の下は……黄金の髪……、だったのか…。
双六の上手い鬼若…殿……」
「覚えていらっしゃるじゃ、ないですか。
意地悪ですね…。
いいのですか、そんな意地悪をなさるのでしたら、異世界でのあなたの所業、
洗いざらい望美さんや譲君達に申し上げることもできるのですよ」
「ホォ……、オレの…何を知っている…と、いうのかな?」
「例えば、弟殿の側使いの女房に」
「香と髪飾り…、だった……な…」
「!」
「何人……籠絡したこと……か…な? ククク」
「な、何のことでしょうね」
「とぼけるのは…、口説くよりもヘタ……なのだな…、薬師殿。
ククク、オレが、お前のことを……調べなかった…とでも、思っているのか……な?」
「え?」
「あからさまな……内偵…だったからな…」
「そ、そうですか……。僕としたことが…」
「敵方の情報は……、敵方の女を…丸め込むのが…一番だ」
(嘘から出た真……というヤツか…。ククク、はったりも使いようだな……)
「どうやら僕たち二人は『運命共同体』というものですかね」
(本当は当てずっぽうなのですが、言ってみるものですね)
「『どろー』で…、痛み分け……だな」
「何か、言い方がちょっとへんですけど、ね」