母 帰る  









  「〜って言うことで、来週日曜の昼頃にゃ成田に着くとさ」



  「『着くとさ』じゃないだろう、兄さん! どうするんだよ! あと6日しか無いじゃないか!!」



  「どうするって言ったって、帰ってくるなとも言えないだろう」



  「そりゃそうだけど…」



  「母上様の……御帰還か? ククク」



  「笑いごとじゃ無ぇんだぜ、知盛」



  「そうだ。とりあえず、知盛をどこかに隠さなくっちゃ」



  「是非とも……有川の母上様に…、御挨拶を」



  「何て挨拶するんだよ?」



  「初めまして……、義母上ははうえ様…」



  「いきなり『母上』はやめろ、な。母さんもびっくりするだろうぜ」



  「冗談じゃない! 母さんを驚かしてどうするつもりだ!」



  「では……、どう…しろと?」



  「蔵か温室に隠れてるっていうのは?」



  「この季節に温室ってのはなぁ? だいいち温室なんて、庭に出たら丸見えだ。それこそ不審者だな。やっぱり蔵か…」



  「面倒だな……」



  「贅沢言うなよ」



  「我慢しろ。暗くて、静かだ。布団を敷いておいてやるから、心おきなく思う存分めいっぱい寝てろ」



  「俺は…黴か……」



  「パラサイト具合は、良い勝負だな」











08/10/18 UP
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