母 帰る 5
「ほぉ……、ここが、泣く子も黙る源氏の軍師殿の住まい……か」
「ええ、ですが、こちらは九郎の部屋ですからね、決して入ってはいけませんよ」
「……」
「ここが僕の部屋、君はその辺りを適当に使ってください。
あ、その前に」
と、言い終わらぬ内に
ポン!
と音がして白煙が立ちこめる。
「コホコホ……、軍師殿……これは……?」
「人の言うことを最後まで聞いてから行動して下さいね。
『この部屋の品は勝手に触らないで下さい』と言おうとしたのですよ。
良いですか? で、ないと」
「『でないと』?」
「いろいろな薬品がありますからね、生死にかかわることになりますよ」
「……ククク、楽しめそうだな」
「それから」
「……?」
「知盛殿は僕の同居人ですからね、
九郎とは、このマンション内では一切、交流しないでくださいね」
「……面倒……だな」