母 帰る 8
「……」
「………」
「……」
「……………く…」
「……」
「……、 ああぁあぁ!! もう! 知盛! お前は平気なのか?」
「……」
「あぁぁぁぁあ! 知盛ぃ!! 何故、一昨日の昼から、何も話してはくれぬのだ。
俺は、こうしている事には我慢できん!」
「……軍師殿に……叱られる…のでな」
「知盛!!」
「やれやれ……、堪え性の無い総大将殿だ……」
「しかしな!」
そう叫ぶ九郎を尻目に知盛は立ち上がり、玄関に向かう。
「え? お、おい?」
「……」
「知盛、何処へ行くのだ?」
「……」
「返事をしろ! 知盛! どこへ行くというのだ?」
「さあ……な…」
「な、なに??」
「…潮時……、なのだろうな」