八葉を驚かそう
( 景時編 )
「うわああ〜、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「平三……か、ククク」
「めんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「何を、それほどまでに謝るのだ?」
「だって、オレ、平家を……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「それほどまでに茶吉尼天が恐かったのか?」
「だってだって茶吉尼だよ、裸で空飛ぶし、人の腑食いちぎるんだよ!?」
「父上よりも、か?」
「いやいやいや、あの頃、まだ清盛様は人間だったじゃないか〜
怨霊になってなかったじゃないか〜、逆鱗も持ってなかっただろ〜」
「で……、平家を裏切った……と? ククク、平家も甘く見られたものだ」
「ごめんなさいごめんなさい、それに……」
「それに?」
「いや、その〜、え〜と」
「何だ? ククク、茶吉尼以上に言い淀むのは?」
「…あ、あの……、さ…、歌、みんな、詠むよね」
「歌?」
「薩摩守殿なんか勅撰歌人でしょ、それに…」
「それに?」
「惟盛殿は舞でしょ、経正殿は琵琶でしょ、敦盛君は笛でしょ」
「オレは……、オレもそちらは疎いぞ、ククク」
「でもさでもさ、知盛殿は武芸に秀でてるじゃない
オレなんて、オレなんて…」
「ククク、それで、源氏の方へ」
「……うん、頼朝様は、そういうのまったく全然、完璧に話題にものぼらないよー
九郎は」
「ああ、言うまでも無かろう……な」
「だからさだからさ」
「居心地が良かった……のか
うらやましい限りだな
オレも源氏に寝返ろうか……ククク」