お食事に行こう 1 ( キャラウェイ編 )
「今日は飯抜きだからな! 兄さん! 知盛!」
「見ろ!! お前、譲を本気で怒らせちまったじゃねえか!」
「では…、夕餉は還内府殿行きつけの…『かれ−』の店にでも」
「何でお前、キャラウェイのこと、知ってんだ」
「ククク」
「注文はオレがする! いいな」
「御随意…に」
「今、金、無えんだからな。勝手に注文するなよ!」
「どんな食い物なのかも…分からぬのでな、…まかせよう」
「おいおい、よく言うじゃねぇか」
「…?」
「この前だって、ファミレス連れていったら、
いきなり『この店の物、すべて』って注文して」
「どれが、食えるか…分からないので…、な」
「『な』じゃ無ぇだろ! 『な』じゃ! お前、少しは金銭感覚ってものを」
「きんせん…かんかく?」
「金が無きゃあ、にっちもさっちもいかないのは、
あっちの世界もこっちの世界も同じだろう」
「さあな…」
「さあなって、お前…」
「金……と、やらを…手にしたことが無いのでな」
「ああ、お前、平家のお坊ちゃんだったのな」
「お坊ちゃん?」
小町通りを曲がると、店が見える前から美味そうなカレーの香りが食欲をそそる。
時間がまだ早いからか、順番待ちの列もなく店内に入る。
と、将臣が叫ぶ。
「な! 何でお前らがいるんだ!」
「ま、将臣殿は御存知無かったのですか……」
「知盛からメールもらったんだよ♪」
「お優しい…、還内府殿の、おごりだ…そうだ」
「す、すみません、将臣殿。実は…」
「お前は気にしなくていいからな、敦盛」
「やったあ!さっすが将臣くん!」
「望美! お前は気にしろ! 特にオレの財布の中身を!!」
「え〜」
「み、神子、やはり、ここは帰った方が良いのではないだろうか?」
「え〜……」
「『え〜』とか言うな!
ま、来ちまったものは仕方ねぇな……分かった。
! 知盛、お前に貸しだからな」
「『サンキュ』…と、言えば…いいのだったな」
「それだけですむと思うなよ」
「還内府殿は、厳しいお方だ。ククク」
「ところでお前、いったいいつメール打てるようになったんだ?
ってか、その前に、いったいいつ携帯買ったんだ?
さっき、金は持ったことが無いって言ってただろう」
「さあな…」