発端
望美が、有川家に飛びこんで来て、中に向かって叫ぶ。
「ねえねえ!! 私、凄いもの拾っちゃった!!!」
譲が慌てて中から飛び出してきて
「先輩、今度は何、拾ってきたんですか?」
「『今度は』?」
「あ…、いえ…、で、何を拾ったんですか?」
「あからさまに話題変えたね…」
「いえ、そんなことは…、で? 何を拾ったんです? 先輩」
「う〜、ま、いいか…。
あのね、驚かないでね」
「そんなに、もったいぶらないでくださいよ」
「平知盛」
「はい?」
「だから、従二位、新中納言、平知盛!」
「先輩!! 何でそんなもの、拾ってくるんですか!!」
「え〜、だって、拾っちゃったものは拾っちゃったんだもん」
「まったく、こまった先輩だな……そんなものは、元のあった所に戻してきてください!!!」
「『そんなもの』? ククク、有川弟は冷たいな」
そこに将臣が奥から出て来る。
「お前らうるさい。譲、望美、何、玄関先で騒いでるん…って知盛! 何でお前が」
「先輩が拾ってきたそうです」
「還内府殿……」
「は〜…、警察に届けとけよ、拾得物でも危険物でもいいから」